電解式シリカ除去装置 SUKAI【スカイ】
ミッション
日本は火山国であるため、土壌には花崗岩、石英粗面岩などケイ酸が多く含まれています。このケイ酸の正体が「シリカ」。
シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称になります。
シリカはアルミニウム系凝集剤により除去が可能ですが、その濃度によっては重合体を形成することや共存元素と様々な化合物を生成することから、その処理機構は複雑です。またシリカは排水基準や水道水基準などの水質基準の対象外であるため、処理法に対する研究例は比較的少なく、その機構は詳細には検討されておりません。
加湿器の白粉の主成分であるシリカの除去、硬度成分であるカルシウム・マグネシウムの除去を目的として、
電解式シリカ除去装置 SUKAI【スカイ】を開発しました。
SUKAIは対象となる水道水に含まれるシリカ成分を電気分解方式により凝集分離を行い、効率よく除去する装置です。
日本の水にシリカが多く含まれる理由
私たちが生きていく上で、必要不可欠な存在である水。蛇口をひねれば、当たり前のように水道水が出てきますが、この水の源は雨水です。地表や地下を流れる際に、土壌中の様々な成分が雨水に溶け込みます。
水には「軟水」と「硬水」があり、硬度は、水に含まれるカルシウムとマグネシウムといったミネラルの量によって定義されます。日本の水道水が「軟水」であるのに対し、欧州ではほとんどが「硬水」。日本は島国であるとともに、国土の約73%を山地が占める山国でもあります。川の長さが短く、水流が早いこともあって水に含まれる成分が少ないとされています。欧州では、地下水や河川水が、石灰質の豊富な地層を時間をかけて流れてくるため、ミネラル成分が水に溶け込んで硬水になるのです。
一方で、日本は火山国であるため、土壌には花崗岩、石英粗面岩などケイ酸が多く含まれています。
このケイ酸の正体が「シリカ」。
シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)、もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称です。
シリカが純水装置の大敵である理由
「純水」を製造するためには、不純物を取り除く必要があります。シリカは不純物の中でもやっかいな物質の一つで、
「缶石」を作りやすいという性質を持っています。
缶石とは、給水中に含まれている不揮発性溶解質および不溶解性物質の濃度が水の蒸発によって増加し、これらが析出して伝熱面に付着したもののこと。成分は主にカルシウムおよびマグネシウムの硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩および水酸化塩です。缶石は水処理装置の水質低下や蒸留効率(速度)の低下、さらにはヒーターの過熱破損の原因となります。
シリカはイオン交換方式でも除去されますが、イオン以外の不純物は除去できず、逆に、イオン交換樹脂からの溶出物で純水を汚染してしまうといった注意点もあります。
シリカ除去に関しては、イオン状シリカはイオン交換方式で除去することができますが、弱イオンであるシリカは樹脂の飽和が近づくと、他の強イオンがイオン交換されてしまい、それまで捕捉されていたシリカを一気に放出することがあります。逆イオン交換反応によりシリカの漏洩が起こるのです。この現象によって、イオン交換樹脂を通す前の水よりも、通した後の水のほうがシリカ濃度が高くなります。メンテナンスを怠ると、大変なことになってしまいます。
装置動作フロー
破線に囲まれた部分が一つの筐体内になります。
①電解槽内に給水(連続給水)
②水道水が電解槽を通過中電解処理
③電解槽から中和槽を通過中にpH調整
④中和剤を定量ポンプにて中和槽へ注入
⑤電解処理水を各反応槽へ
順次切り替え導入
⑥反応槽にて沈殿物と上澄み水とに分離
⑦各反応槽にて分離した上澄み水を
順次切換え送水
⑧送水ポンプにてろ過フィルター部へ
上澄み水を送水
⑨フィルターでろ過された処理水を送水
⑩反応槽にて分離された沈殿物を回収
⑪ミネラル成分を除去する場合は軟水化装置を用意(オプション)
⑫電解処理された水を溜めます(オプション)
※軟水化装置にて上澄み液に含まれた
ミネラル成分は除去されます。
電解式シリカ除去装置仕様
※仕様及び外観は予告なく変更する場合があります。